国立市 庄司会計事務所 (合同会社みらいスコープ)

代表はこんな人

昭和46年12月 秋田市生まれ。
大学卒業後、漠然と海外で活躍する自分を夢想し、青年海外協力隊に参加することを志す。
そのために手に職をつけるべく都内大手ディーラーにてサービスメカニックとして就職し、国家整備士免許を取得するが、腰を痛めて挫折。
そんなおり電車の吊り広告で税理士という仕事の存在を知り、平成9年都内大手税理士事務所に転職する。平成20年、税理士試験合格。
平成22年、独立起業、現在に至る。

趣 味:昭和40年代の古本集め、全然作る暇がないプラモデル
特 技:自動車の凹みのパテ盛り、ガソリンエンジンのキャブ調整

仕事に対する思い・税理士を目指したきっかけ

聞き手:まず庄司さんが税理士になろうと思ったきっかけを教えてください。

庄 司:わたしは25歳の時に都内の税理士事務所に転職したんですよ。それまでは某自動車ディーラーでクルマの整備士をさせていただいていました。

聞き手:まったく異業種ですね(笑)

庄 司:そうなんですよ(笑) 整備士の仕事は夏はすこぶる暑く冬はすこぶる 寒いんです。それで冷暖房完備の職場がいいなと。

聞き手:それで転職を考えられたのですね。

庄 司:はい(笑) 通勤電車の吊り広告で「ケイコとマナブ」という雑誌を見つけまして、その中で「税理士になろう」って記事があったんです。資格をとれば「年収1000万円!」みたいな。これはちょっとやってみようと(笑)

聞き手:なるほど(笑)

庄 司:それで整備士の仕事をしながら簿記検定を受け始めたんです。そして簿記検定に合格したのをきっかけに税理士事務所に転職しました。

聞き手:税理士を目指すためですね。

庄 司:そうです。税理士になるにはまず税理士事務所で働くのが早道だと考えたんです。

聞き手:そして首尾よく就職なさって、猛然と受験勉強を始められた・・・

庄 司:・・わけではないんです。とにかく猛烈に忙しい事務所で、確定申告のシーズンなど3日間事務所に泊まり込んだことがあります。ある年など空き巣に入られたのに1週間気が付かず、警察官に呆れられました(笑)

聞き手:なかなか衝撃的ですね(笑)

庄 司:そういう事務所ですから、片っ端から人が辞めていく。受験勉強なんか、とてもじゃないけど出来ないって、わたしも半ば諦めかけたんです。

ある社長さんの死・・・

庄 司:そんなとき、先輩が辞めてしまって担当になった会社さんがあったんです。 東京の染物屋さんで、バブルの頃に故郷に工場を増設し、多額の負債を背負っていた。 折しも韓国や中国が競争相手に台頭してきて業績は激減、バブル崩壊で資産価値も激減。弱り目にタタリ目で、不渡手形をつかまされたり・・・

聞き手:苦しいですね。

庄 司:いま考えると、典型的な事業再生案件です。不動産の売却、従業員のリストラ、金融機関とのリスケ交渉、組織再編等を組み合わせて再生可能性を探っていくという・・・

聞き手:なるほど。

庄 司:でも当時はまったく知識がない、経験もない。当時の中小企業金融公庫の担当者に「損益分岐点は?」って聞かれて、答えられないんですから目も当てられない。片っ端から記帳をし、決算を組んでいくというタイプの事務所でしたから、事務所としての支援もあまりない。

聞き手:お客様がかわいそうですね。

庄 司:そうなんです。結局銀行さんに言われるがままに試算表を作り、何の対策も打ち出せないままに右往左往しているうちに、社長さんはガンで倒れてしまった。

聞き手:それで?

庄 司:結局社長さんが亡くなり、事業は廃業。所有不動産の売却と生命保険金で残債を整理して、ご家族はどこかへ移転されました。

聞き手:そうですか・・・

庄 司:このままじゃイカンって、心の底から思いました。良い税理士についていたら、この社長さんは亡くならなくてよかったんじゃないかと。税理士という仕事は、これは大袈裟じゃなく、経営者の生き死にに関係する仕事だと思ったんです。

聞き手:それで本格的に税理士を目指されたわけですね。

庄 司:とにかく力をつけたいと思い、必死に受験勉強を始めました。結局合格まで8年かかりましたけど(笑)

「税理士」という仕事に対する思い・・・

聞き手:庄司さんは「税理士」という仕事にどのような思いをもって臨まれていますか?

庄 司:私は税理士という仕事は、一言では言い表せない様々な性格を持っていると思っています。税金の計算はもちろん、毎月の巡回訪問の際には、個人的な悩み事を打ち明けられることも多くあります。

聞き手:そうですか。

庄 司:社長さんは孤独ですし、意外と相談する相手がいないんですよ。私自身も経営者として、良くそれは分かります。ですから私は、社長さんの良き相談相手として選ばれるように常に心がけています。

聞き手:なるほど。

庄 司:そのようななかで、私が「税理士」として最も重要なテーマと考えているのが、 お客様を「ハッピーにすること」です。

聞き手:「ハッピーにすること」ですか?

庄 司:そうです。先ほどの社長さんは選択肢を知らなかった。せっかく高い顧問料を払って税理士とお付き合いをしているのに、肝心なところでチカラになってもらえなかった。ものすごくアンハッピーです。 私が考えるお客様のハッピーとはいい車に乗るとか、安楽な生活を送れるようになるとかではなく、良いスタッフ、良いお客様に囲まれて、自分の理想と思う仕事を成し遂げられるような環境にあることです。

聞き手:その意味で「経営者がハッピー」であれば会社は潰れませんね。

庄 司:その通りです。「経営者がハッピー」であれば事業は継続できる。またもっと「ハッピー」になるために頑張れると思うのです。 そして経営者の夢や理想に共鳴して、ご家族や従業員、お客様が周りに集まってくる。こうなったら会社は強いです。みんながハッピーを軸にして集まっている状態ですから。
聞き手:おっしゃる通りですね。

庄 司:そのために私は、私自身がハッピーになるように、日々気をつけて過ごそうと思っています。それが昔、力になれなかった社長さんに対する自分の取るべき姿勢のような気がするのです。何より自分がハッピーじゃないと他人をハッピーになんてできませんしね(笑)

聞き手:良くわかりました。本日はありがとうございました。