国立市 庄司会計事務所 (合同会社みらいスコープ)

コラム「数字は12倍して考える」

事業で使用する物品を購入しようとするとき、保険に加入しようとするとき、銀行員に新規の借入を勧誘されたとき・・・・

経営していると、このような場面によく遭遇します。

さてこれが月額3万円の支払いであったら、契約の可否をどう判断すればよいでしょうか。

当初は期待値がありますので「月3万円だったら払えるかなあ」という感じでつい判断を誤ってしまいがちです。

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このような場合の会計的アプローチは次のステップを踏みます。

まず月額支払額を12倍して考えます。

月額3万円ですと、年額36万円です。

次に経常利益と減価償却費を合わせた金額で36万円を賄えるか計算します。

この場合は最新の試算表を使用すると、より正確に判断できます。

もし経常利益と減価償却費を合わせても36万円に満たない場合、現段階では支払いは困難という判断になります。

これは「キャッシュフローによる判断」です。

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ただしこの支払いが将来収益を生むべき投資である場合は、異なるアプローチとなります。

たとえば年間36万円の支出によって機械装置を購入したとします。

この機械装置を導入することによって、いまよりも収益の増加が見込めるのであれば、その収益の見込み額によって36万円を賄えるかを計算します。

もし粗利50%の事業であれば、その機械装置が36万円÷50%で72万円の売上増をもたらす投資であるかによって購入の可否を検討します。

これは「採算(収益性)による判断」です。

ただし立ち上げから直ちに72万円の売上増が得られない場合、72万円に達するまでの期間の支払額が不足しますので、別途調達する必要があります。

このような運転資金が必要となるケースは気を付けないと苦しい思いをしますので要注意です。

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