「事業承継」とは、実態として大きく分けて2本の柱からできています。
1本目の柱は、会社のオーナーであることの権利(いわゆる「経営権」)の承継。
2本目の柱は、会社の業務そのもの(いわゆる「営業権」)の承継 です。
中小企業の社長さんたちは、おおむね「経営権」と「営業権」の両方をもっていますので、これらふたつの柱を「誰か」に譲り渡すこと、これを「事業承継」と呼んでおります。
「事業承継」は譲り渡す「タイミング」と譲り渡す「相手」によって、幾通りもパターンが考えられますので、ちょっと複雑なイメージがあります。
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事業承継の場合、後述するテクニカルな場合を除いて、「経営権」と「営業権」の両方を一緒に譲り渡すことが多いです。
譲り渡す「タイミング」は「一括で」というパターンもありますし、「段階を踏んで」というパターンもあります。
譲り渡す「相手」によって、は子供や親族に譲り渡す「親族内承継」や、従業員などに譲り渡す「親族外承継」、第三者に売却する「M&A」などに分類されます。
このいずれの場合も、業績の悪い、財務に問題を抱えている会社は、だれも「事業承継」したがりません。
ですから企業価値の最大化は「事業承継」を成功させる最大のポイントと言えます。
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テクニカルなところでは、例えば子供に譲り渡したいが、子供の成長が心もとないので、成長するまでの間外部からプロ経営者を招聘するパターンや、持ち株会社を設立して「経営権」のみ親族で保持し、「営業権」は従業員などに譲り渡す分離パターンなどもあります。
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また譲り渡すのではなく「廃業」してしまうというのも、「事業承継」の一種です。
結論として「事業承継」とは、「経営権」の承継と「営業権(事業)」の承継がセットになったものをいいます。
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